BigHope's Life

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outputの練習

続・続・続・行列式の話。

前回までの復習

 

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ここまでで、行列式とはなんなのか、その基本的な理解と定義について確認した。

 

 

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ここまでで、行列式の持つ重要な性質を確認してきた。

 

ざっと復習すると、

 

行列式とは、符号付き体積を対応させる関数であり、そのような関数は、多重線型性、交代性、規格化条件の3つの性質により一意的に定まる。という話。

 

 

 

また、

行列式とは、「行列の掛け算」を「数の掛け算」に写すような写像である。という話。

 

f:id:BigHope:20171001025611p:plain

 

 

 

 

さて、今日は「行列式の計算」のお話。

 

ここが終われば行列式マスターになれます。多分。

 

 

 

計算の原理 

 

まずは計算の原理について。

 

n行n列の行列式を、

f:id:BigHope:20171001172715p:plain

 

と表すことにする。

 

 

 

 

定義のところで見たように、すでに我々は行列式の計算自体はできる。

しかし、計算量がマジで現実的ではない。

 

 

実際、n=3の時点で、

aei-ahf-dbi+dhc+gbf-gec

 

となることは以前書いています。

 

 

 

 

n=3でこれなんだから、一般のnでは大変なことになってしまう。。

 

そこで、もう少し実用的な方法を考えてみる。

 

そのための基本的なアイデアは、次の式にある。

f:id:BigHope:20171001174734p:plain

 

 

 

この式は、

f:id:BigHope:20171002001318p:plain

の形をしたn+1行n+1列の行列に対しては、その行列式の計算がn行n列の行列式に帰着できるということを表す。

 

 

 

この原理の式が意味するのは、

f:id:BigHope:20171002001521p:plain

という関数も、(行列式が持つ)3つの性質を満たすので、

見かけは違えど、行列式の関数に他ならないということである。

 

 

 

これをまずは確かめてみる。

 

2行2列の行列で考える。

f:id:BigHope:20171002151716p:plain

 

この関数gが「行列式の3性質」を満たすことを確かめれば良い。

 

まず、多重線型性について。

f:id:BigHope:20171002151817p:plain

f:id:BigHope:20171002151836p:plain

 

行列式については「3性質」は成り立つので、それを利用すれば確かめられる。

 

 

次に、交代性。

f:id:BigHope:20171002151944p:plain

 

同様に、規格化条件も次のように確かめられる。

 

 

f:id:BigHope:20171002152025p:plain

 

 

以上より、関数g(a1,a2)は3性質を満たすことがわかった。

 

また、この3性質を満たす関数は「行列式」という関数しか存在しないことから、

f:id:BigHope:20171002152219p:plain

が言える。

 

 

すなわち、

f:id:BigHope:20171002152302p:plain

 

 

であるということがわかる。

一般のnについても同様に示せるので、

「原理」が確かに成り立つことがわかった。

f:id:BigHope:20171001174734p:plain

 

 

また、

行列を分断して埋め込むことで、例えば

f:id:BigHope:20171002152528p:plain

 

となることも示せる。

 

 

さて、以上が、サイズの大きな行列の行列式をサイズがより小さな行列の行列式の計算に帰着させるための原理である。

 

 展開公式

 

これを用いて、実際にどのように計算ができるか見ていきたい。

 

話を具体的にするため、Aが3行3列の場合を見ていく。

f:id:BigHope:20171002160850p:plain

画像のようにa1を分解して、多重線型性を用いると、

f:id:BigHope:20171002160945p:plain

 このように分解することができる。

 

まず、右辺第1項であるこの青波線部について見てみる。

 

f:id:BigHope:20171002161051p:plain

交代性を利用すれば、上の画像のように変形できる。

 

さらに、これを同様の操作により

f:id:BigHope:20171002161201p:plain

と変形できる。

 

よって、結局、右辺第1項青波線部は、

f:id:BigHope:20171002161307p:plain

 

このような処理を第2項、第3項にも施し、「原理」の形にして「原理」を利用すれば、

f:id:BigHope:20171002161421p:plain

 

このようになることがわかる。

これを「展開公式」などという。

 

このようにすれば、計算がだいぶ楽になることがわかる。

 

 

基本変形

 

 

さて、ここで、基本変形に対する行列式の振る舞いを見ていく。

3行3列の場合を考えると、例えば次のようになるので、

f:id:BigHope:20171002161703p:plain

結局、行列式の性質も考慮すれば、

 

f:id:BigHope:20171002161745p:plain

 

このようになる。

 

特に、Qの基本変形では行列式の値は変わらないことに注目。

 

 

完成

 

さて、これで準備は整った。

 

 

あとは、

この基本変形を利用して、行列を「展開公式」が適用できる形に変形していけば良い。

 

例えばこんな感じ。

f:id:BigHope:20171002161944p:plain

ex.(1)はそのまま1列目に関する展開公式を利用した。

ex.(2)は基本変形を施してから展開公式を利用した。

 

 

 

 

 

さて、ここまでで行列式の話は終わり。

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